附属図書館所蔵の「山寺状」が,平成19年2月25日(日)16時55分から山形テレビ(YTS)で放映された「山形市政特別番組 やまがた文化遺産山寺立石寺」の中で紹介されました。
- 「山寺状(やまでらじょう)」とは…?
- 「山寺状」は、「往来物」と呼ばれる書物の一種であり、著者松本一笑軒が寺子屋の教本として著したものが、著者の没後約40年後の享保11年(1726年)に弟子たちの手によって、京都の書肆芳野屋徳兵衛より出版されたものです。
- その内容は、山寺・宝珠山立石寺を紹介したもので、景観の見事さと、立石寺の歴史と伝統について述べ、僧侶たちが日夜修行に励んでいるようすや4月におこなわれる祭礼のことなどを記しています。
- 寺子屋の手習い用として著されたものなので、本文の後に筆記した場合の手本が付けられています。
- 本書は、県内で使用された現存する最古の寺子屋教本として、また、江戸期の山寺のようすを伝えるものとしてたいへん貴重なもので、当館所蔵の他に、河北町に伝世するものは、町の有形文化財の指定を受けています。
- 今回テレビで紹介された部分は、表紙見返しの立石寺全景図と、序文中の「当山ハ紀州高野山と同じくして諸人卒塔婆を供養し碑をたて兼而永世を期す」という部分で、紀州(現在の和歌山県)の高野山と並び称されると同時に、古くから民間信仰の山でもあったことを述べています。
参考文献:槙清哉「松本一笑軒と山寺状」(河北町文化財保護審議会編『山寺状[復刻版]』,2006.3所収)
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